こんにちは。
新型コロナウイルスの感染により、船内隔離となっていたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での感染者が、2月19日で合計621人になりました。一方、乗客の下船も始まりましたので、これまでの経緯を公表されている数値などに基づいてまとめてみたいと思います。
ダイヤモンド・プリンセス号の概要
建造:2004年 長崎県
船籍:英国
乗客定員:2,706人
乗員定員:1,100人 合わせると定員は3,806人
全長:290m
全幅:37.5m
メインダイニング5か所、シアター、カジノ、スパ、ジム、プールなど、施設もとても充実していて、まさに豪華客船という感じです。
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こうしたクルーズ船での旅行は、高齢者には人気が高いですよね。
移動が楽で、一度に色々な国を訪問できるのが魅力のようです。
たしかに、飛行機の気圧の差が辛い方には高低差のないクルーズは楽ですよね。
通常のツアーですと、街を移動するたびに、荷ほどき荷造りをしなければならないですしね。
2月13日時点の発表でも、船内に80歳以上の人は200名以上いる、とのことでした。
今回のクルーズの航路とコロナウイルス感染拡大の経緯
1月20日 | 横浜港を出港 (後に、下船後新型コロナウイルスに感染していることが判明した80歳の香港人男性が乗船) |
1月22日 | 鹿児島へ到着 |
1月25日 | 香港へ到着(同香港人男性が下船) |
1月27日 | ベトナム・チャンメイへ到着 |
1月28日 | ベトナム・カイランへ到着 |
1月31日 | 台湾・基隆へ到着 |
2月1日 | 那覇へ到着(同香港人男性の感染が確認される) |
2月3日 | 予定より1日早く横浜港へ |
2月5日 | 10人の感染を確認。客室待機となる |
2月6日 | 10人の感染を確認 |
2月7日 | 41人の感染を確認 |
2月8日 | 3人の感染を確認 |
2月9日 | 6人の感染を確認 |
2月10日 | 65人の感染を確認 |
2月12日 | 39人の感染を確認 |
2月13日 | 44人の感染を確認。これまでに218人の感染を確認。 |
2月14日 | 80歳以上の持病のある人または開閉できる窓のない部屋に滞在している人の下船を認める |
2月15日 | 67人の感染を確認 |
2月16日 | 70人の感染を確認 |
2月17日 | 99人の感染を確認。アメリカが希望者をチャーター機で帰国させる |
2月18日 | 88人の感染を確認 |
2月19日 | 79人の感染を確認。これまでに621人の感染。下船開始(443名) |
17日正午の時点で3100人の乗員と乗客が残っていますが、アメリカに続き、韓国、カナダ、オーストラリアなどもチャーター機により自国民を帰国させる措置を取るようです。
乗客433人がまず下船 対応に疑問の目も
2月19日に、ウイルス検査で陰性と確認され症状がみられなかった乗客433人が下船しました。下船後は、それぞれ自宅等に向かい、通常の生活を送り、数日間は健康状態を電話で確認すること、となっているそうです。実際、バスで横浜駅まで送られた後は、各自公共交通機関を利用して帰宅された様子が報じられていました。
しかし、こうした対応に、海外から疑問の目が向けられています。ニューヨーク・タイムズは「日本がクルーズ船の乗客を自由にした。安全なのか?」という見出しで日本以外の多くの国が、クルーズ船の乗客を帰国後さらに2週間隔離していると伝えています。
たしかに、「最近感染したばかりの人は下船前の検査で陰性だったとしても、数日後に発症する可能性がある」というオーストラリアの専門家の指摘もありますし、潜伏期間などもはっきりしていないため、不安は残るように思います。
すでに2週間も不自由な暮らしを余儀なくされた方々からすれば、一刻も早く自宅に帰ってゆっくりしたいと思うでしょう。やっと船から下りられたのに、そこからさらに2週間別の施設で缶詰と言われたらがっくりしてしまうかもしれません。
一方、感染拡大を防ぐためには、さらに2週間の隔離は効果は高いと言われています。海外の方の場合は、一度自国に戻れたという安心感で、「あと2週間!」と気持ちをリセットしやすくなるかもしれませんね。
本当にこういう問題は折り合いをつけるのが難しいですが、各分野の専門家の英知を集めて審議した結果と信じて、自分たちはできる限りの感染予防をするしかない、というところでしょうか。
まとめ
今日は、14日間の隔離期間を終えて下船の始まった、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の経緯についてまとめてみました。
2月19日時点で感染者数621人と、船の定員数から計算すると約6人に1人の率で感染する事態となり、海外からの厳しい目も向けられています。
下船した方からの二次感染が広がりませんように、一刻も早い終息、そして患者の皆様の回復をお祈りいたします。
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